例えば、営業職として正社員を月給25万円で採用しました。
営業成績は上がらず、相対評価で1年間を通して常に下位15%以内でした。会社は、個別に指導はしていません。
会社は、1年後、就業規則の解雇規定「勤務成績が劣り、向上の見込みがないとき」を適用してその社員を”解雇”しました。
労使間で争いになった場合、”解雇”は認められるでしょうか?
労働契約法第16条(解雇)には、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして、無効とする。」となっています。
では、この社員の場合、「相対評価で下位15%以内」は、客観的に合理的な理由と認められるでしょうか?
その社員に指導したことがないのに、なぜ「向上の見込みがない」と言えるのでしょうか。
他のエリアを担当すれば、下位30%かもしれません。指導すればもっと上位の50%かもしれません。
過去の判例から
- 就業規則に該当する解雇事由が規定されているか
- 勤務成績の判断基準の妥当性
- 同一事由による解雇者がいるか
- 会社の指導・教育の有無、程度
- 反省の機会の有無
- 配置転換の余地の有無
等を基準に有効か無効かが判断されています。