職場でマスク着用義務は可能か?

みなさん、こんにちは。

第6波の新型コロナウィルス感染者は、2月中旬をピークにようやく減少傾向にありますが、

北海道内の感染者は2,000人前後と安心はできません。

先日、釧路空港からの搭乗客がマスクの着用を拒否し、結局機内から降ろされました

が出発を1時間以上遅らせるというトラブルがありました。

それでは、職場内でマスクの着用やワクチン接種を義務づけることはできるのでしょ

うか?

職場で新型コロナウィルス感染が拡散すると、多くの従業員が就労できなくなり、

場合によっては職場の閉鎖、事業の停止など会社に大きな悪影響を与えることが

考えられます。また職種によっては、新型コロナウィルス感染者を出した会社として

信用失墜の可能性もあります。

会社は、職場内での新型コロナウィルス感染拡大の防止を図ることは社会からの要請

といえます。

そこで、新型コロナウィルス感染拡大の防止策としてマスクを着用することは、その

合理性が広く認められています。

また、職場でマスク着用を求めることは、職場での新型コロナウィルス感染拡大防止

という正当性に対して、労働者側の『マスクを着用しないという自由』の程度は

軽微といえます。

よって、職場における新型コロナウィルス感染拡大防止策として、マスクの着用を

従業員に義務付けることは問題ないと考えます。

それでは、注意・指導をしたにもかかわらず、職場内でマスク着用を拒む従業員に

対して懲戒処分を科すことはできるのでしょうか?

就業規則の服務規律に、”マスク着用義務”の条文を追加することで労使トラブルに発展

した際、会社の主張が認められる可能性が高くなります。

 

次に、ワクチン接種を拒否した従業員を解雇することはできるでしょうか?

会社として職場を新型コロナウィルスの感染から防止したいという気持ちは

理解できますが、『ワクチンを接種しない』という理由だけで解雇することは

裁判では解雇権の濫用と判断される可能性が高いと考えます。

これは、医療・介護・福祉に従事するソーシャルワーカーといわれる職員に

対しても同様です。

この場合、会社としては未接種者に対してPCR検査・抗原検査等を随時実施する、

あるいは可能であれば配置転換を実施するなどの対応が求められます。

いずれにしても、早く飲み薬が一般的に普及し、従来の日常生活が送れることを

待ち望みます。