みなさん、こんにちは。
5年前に時間外労働の上限規制がはじまり、当時は特例とした建設業、運送業、
医師の上限規制が令和6年4月から始まります。
1月24日の日本経済新聞には、次の改革にめけて「時代に沿う労働法議論」を
はじめる旨の記事がありました。
その主な内容は、
- 労働基準法は大正から昭和にかけての工場労働が前提で、現代にそぐわない
- 労働の基準は『工場で同じ時間、同じ作業を指揮命令の下に行う』ことが前提のままだ
- テレワークや育児のための時短勤務などが広がり‥‥在宅勤務と出社とでは働き方も希望する労働時間も違う
などと書かれていました。
最近(1月下旬)、ある介護施設を退職した職員が、
「夜勤の時は休憩時間がなかった」と労働基準監督署に相談に行きました。
労働基準監督署はさっそくその施設に調査に入りました。
その施設の夜勤は、厚生労働省の介護保険に係る老健局の指針に基づき
『入居者9人を職員1人で対応する』体制でした。(参考資料1)
この場合、確かに労働基準法に定める「〇時から〇爾まで〇時間の休憩時間」
というわけにはいきませんが、施設側は上記老健局と労働基準局とで調整し
認められた「手の空いた時間」を休憩時間としていました。(参考資料2)
しかしながら調査に入った労働基準監督署の監督官は、その「手の空いた時間」を
休憩時間ではなく「手待ち時間」、すなわち労働時間という見解を示しました。
現時点で最終判断は出ていませんが、裁量権は労働基準監督署にあります。
次の改革に向けての議論は、今回のような事例も含めた多様な働き方を踏まえて
議論してもらいたいを願っています。
参考資料1 指定地域密着型サービスの事業の人員
参考資料2 グループホームにおける夜間及び深夜の勤務取扱い
(その後の経緯)
3月に入りまもなく労働基準監督署から「上記勤務体制は休憩時間の確保に問題なし」
との通知がありました。