派遣労働者の中途解約

少し細かくなるためまず前提となるキーワードから確認します。

  1. 派遣労働者   派遣元から派遣される労働者
  2. 派遣先     派遣労働者を現場で働かせる会社
  3. 派遣元(雇用) 労働者を雇用し、その労働者を派遣先に派遣する会社
  4. 派遣元(登録) 労働者を登録し、その労働者を派遣先に派遣する会社

派遣先が経営上の都合により、その派遣労働者を契約期間の途中で一方的に派遣契約を打ち切った場合にどのような問題が発生するか考えてみます。

派遣先が派遣労働者を契約期間の途中で解約しても派遣労働者を解雇したことにはなりません。なぜなら、派遣労働者は派遣元と契約して働いているからです。

派遣労働者に対する派遣元の対応も、雇用型と登録型で違います。

雇用型の派遣元は、自社で雇用しているので新たな派遣先を手配する等の対応が必要です。

登録型の派遣元は、新たな派遣先がすぐ見つかればいいのですが、派遣先から契約解除されたと同時に何のフォローもせずにその派遣労働者の契約も解除してしまい、それが原因のトラブルも発生しています。

この場合、登録型の派遣元は契約期間については別の派遣先を確保するか通常賃金、あるいは休業手当等一定額を支払わなければなりません。

厚生労働省は派遣先に対しても派遣契約について以下の主旨の指針を出しています。

  1. 派遣先の都合で派遣契約を途中で解約する場合は、派遣労働者の次の就業機会を確保するか、派遣元にその労働者を休業させる場合の休業手当、解雇予告手当相当額以上の損害賠償を支払うことを決めておかなければならない。
  2. 上記1.を決めておかない場合でも損害を賠償しなければならない。

派遣労働者に対しては、派遣先、派遣元がともに責任ある対応をとる必要があります。その都度自社に都合のいいように運用しているとせっかくの有効な制度もかえって規制が厳しくなり活用しずらいものになってしまいます。

有期労働契約の中途解約

会社の業績が悪化した場合にパートタイマー等の有期労働契約の従業員を契約期間の途中で解雇することは可能でしょうか。

労働契約法第17条では、「使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。」と規定があります。

つまり、よほどの理由がなければ、期間の途中で解雇することはできないということです。半年・1年の雇用契約を締結して、数か月を残しての中途解約は認められる可能性が低いと考えます。対応によっては支払わなければならない額が変わってきたりします。

  1. 会社の都合で休業させた場合        ➪ 平均賃金の60%
  2. 解雇して解雇無効により賃金請求された場合 ➪ 通常賃金

また、同じパートタイマーでも契約更新を繰り返し、期間の定めのない契約と実質同じような従業員の場合は、正社員と同レベルの整理解雇の有効性が焦点となります。これまでの判例から以下の4要件が問われます。

  1. 解雇しなければ会社が倒産する等経営上人員削減が必要か
  2. 一時帰休や希望退職者の募集等解雇回避努力はしたか
  3. 被解雇者の選定基準は客観的に合理的で公正に行ったか
  4. 従業員に状況を十分に説明・協議し、理解を得られるよう努力したか

結論としては、たとえ業績が急に悪化した場合でも、パートタイマーだからと言って安易に期間の途中で解雇することはよほどのことがない限りなかなか認められないようです。