大阪の水族館で発生したセクハラ問題で2015年3月26日、最高裁が判決を下しました。
まず、経緯から(産経新聞抜粋)
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大阪市港区の第3セクターの水族館「海遊館」が、男性管理職2人に対し女性への「性的言動」を「セクハラ発言」と認定して出勤停止とした処分の可否が争われた訴訟の上告審判決が26日、最高裁第1小法廷(金築(かねつき)誠志(せいし)裁判長)であった。
同小法廷は、重すぎるとして処分を無効にした2審大阪高裁判決を破棄し、「処分は妥当だった」と海遊館側の逆転勝訴を言い渡した。
男女雇用機会均等法は職場での「性的言動」の防止を義務づけており、企業は同法や厚生労働省の指針に基づきセクハラの処分をしている。最高裁の判断は企業の対応に影響を与えそうだ。
1,2審判決によると、課長代理だった40代の男性2人は派遣社員の女性らに「俺の性欲は年々増すねん」、「夜の仕事とかせえへんのか」などと性的な発言を繰り返したとして、平成24年2月、それぞれ出勤停止30日間と10日間の懲戒処分を受け、降格された。
男性側は、「出勤停止は懲戒解雇に次いで重い処分。事前の注意や警告をしないで処分したことは不当だ。」として提訴した。
1審大阪地裁は、発言内容が就業規則で禁止されたセクハラに当たると認定し、「上司であるのに、弱い立場にある女性従業員らに強い不快感を与える発言を繰り返し、セクハラ行為をしたことは悪質だ」として処分が有効と判断。男性側の訴えを棄却した。
しかし2審は、「セクハラ行為が軽微とは言えないが、事前の警告がない重い処分で酷だ」として、男性側の逆転勝訴としていた。
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ここでポイントは、水族館を運営する会社が、『職場のセクハラ防止を重要な課題として対策に取り組んでいた』ということです。
”就業規則”で禁止行為を具体的に項目を掲げ、従業員には行為の程度によって懲戒処分を行なうことを『文書で周知』していました。
今回の件は、発言した者にとっては『何気ない言葉』のつもりでも、”セクハラ”として重い懲戒処分の対象になり得ることを警告していると思います。