1カ月単位変形労働時間制の労働時間管理

みなさん、こんにちは。

先日、1カ月単位変形労働時間制を導入している事業者から

「一度組んだシフトを期間の途中に変更しても問題ないか」

との相談がありました。

 

労基法では、


1箇月単位の変形労働時間制を採用する場合には、就業規則その他これに準ずるもの

により、変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めることを要し、

変形期間を平均し週40時間の範囲内であっても使用者が業務の都合によって

任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しない。(昭和63.1.1基発1号)


とあります。

つまり、会社の都合で期間の途中にシフトを変更することは認められないことに

なります。

 

一方で、JR東日本事件(2000年4月27日東京地裁判決)では、


就業規則の変更条項に基づく勤務変更は労働基準法第32条の2(1ヶ月単位変形労働

時間制)の要件を充足し適法であるとしながら、変更条項は「労働者からみて

どのような場合に変更が行われるのかを予測することが可能な程度に変更事由を

具体的に定めることが必要である」


という判決がありました。

 

多くの事業所では、会社の都合に限らず、従業員の急な用事や、顧客あるいは利用者

の都合によりシフトの組み換えが多々発生しているのではないでしょうか。

 

その場合、事前に就業規則に具体的変更事由を記載しておく必要がありそうです。