厚生労働省によると平成22年度の精神障害による労災補償の請求件数、支払い決定件数が過去最高になりました。
請求件数は1,181件(前年比45件増)、支給決定件数は308件(前年比74件増)
労災認定された支給決定件数308件のうち、具体的な発症原因上位10項目を以下に列挙しました。発症の主な原因は、長時間労働よりも職場内の人間関係による心理的負荷が大きいことが分かりました。
1. 仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった 41件
2. ひどい嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた 39件
3. 悲惨な事故や災害の体験(目撃)をした 32件
4. 勤務・拘束時間が長時間化する出来事が生じた 25件
5. 上司とのトラブルがあった 17件
6. 重度の病気やけがをした 16件
7. 顧客や取引先からクレームを受けた 10件
8. 退職を強要された 10件
9. 複数名で担当していた業務を一人で担当するようになった 9件
10. セクシュアルハラスメントを受けた 8件
今回特に重要視されたのが、セクシュアルハラスメントの問題です。
今年になって、セクハラ行政訴訟の和解がありました。これは厚生労働省がセクハラによる精神障害を労災と認め和解提案をして、原告が受け入れたものです。厚生労働省では、あわせてセクハラに対する労災認定の判断基準の見直しを進めており、年内にも新指針が発表される予定です。
皆さんの会社では、セクシュアルハラスメントの対策はお済みでしょうか。