何がパワハラ?

先日、経営者、経営幹部向けパワハラの研修会に参加してきました。

平成24年度、厚生労働省の個別労働紛争解決制度における相談件数では、前年度までトップだった「解雇」を抜き、「いじめ・嫌がらせ」に関する相談がトップになりました。

「解雇」5万1515件(対前年度比▲10.9%)

「いじめ・嫌がらせ」5万1760件(対前年度比12.5%)

パワハラを類型別にみると(厚生労働省発表)

    1. 身体的攻撃(暴行、傷害等)
    2. 精神的攻撃(脅迫、名誉棄損、侮辱、ひどい暴言)
    3. 人間関係からの引き離し(隔離、仲間外し、無視)
    4. 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
    5. 過小な要求(能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
    6. 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

研修会では、弁護士から「パワハラ=労災認定」された具体的判決の事例もいくつか紹介されました。

    • 日研化学事件(東京地裁平成19年10月15日判決)
    • 中部電力事件(名古屋高裁平成19年10月31日判決)
    • 川崎市水道局事件(東京高裁平成15年3月25日判決)

研修会の後半は、参加者でグループ討議しました。

参加者の皆さんは、パワハラに対する意識が高く、会社のリスクとしてどう予防すればいいか悩まれていました。

意見を交換している中で、パワハラの多い会社と少ない会社があることが分かりました。

一例ですが、多い会社は、技術系、又は職人を雇用している会社です。安全上、技術の伝承等つい声が荒くなってしまうようです。

一方、社長や経営幹部自らがパワハラを発生させないという意識の高い会社や、職場内でコミュニケーションをとるように努めている会社(飲み会も含めて)は少ないようです。

対策としては、経営トップが「パワハラを発生させない。」という強い意識と社内へのメッセージが必要です。

パワハラ予防やパワハラと感じた時の社内相談先(直接社長まで)を書いた紙片を定期的に給与明細に同封して渡す会社がありました。

注意する場合はトラブル予防のために録音して注意する、あるいは従業員に録音されていても大丈夫という言葉使い(意識)で注意することが大切です。

最近は、従業員本人よりその両親から「パワハラではないか。」と電話がくることもあるそうです。

一度問題が発生し、相手の主張が認められると多額の損害賠償額が請求されます。

会社は、これらのリスクを低減するために日頃から社内研修・教育や社内規程づくりが重要です。

ご質問、ご相談等ありましたらお問い合わせください。