パートタイム労働法が、平成27年4月1日改正施行されます。
今回の改正のポイントは、次の3つです。
- パートタイマーの公正な待遇の確保
- パートタイマーに対する納得性を高める措置の拡充
- パートタイム労働法違反事業者に対する厚生労働大臣の勧告・公表
パートタイマーの公正な待遇の確保を目的に、第8条(短時間労働者の待遇の原則)が新設されました。
『公正な待遇の確保』とは具体的には、パートタイマーの処遇が正社員と相違する場合は、①職務の内容(業務内容や責任の程度)、②配置の変更等人材活用の仕組み、③その他の事情等を考慮して不合理なものであってはならない、ということです。③の『その他の事情』とは、”従来からの労使慣行”が考えられます。
また、改正前の第8条で規定された正社員との差別的取扱いの禁止規定では
- 職務の内容が正社員と同一
- 人材活用の仕組みが正社員と同一
- 無期労働契約を締結している
という三つの要件をすべて満たしたパートタイマーが差別的取扱い禁止の対象でしたが、今回の改正により第9条(旧8条が移行)で、(3)が削除となり(1)と(2)の要件だけで差別的取扱いが禁止されるパートタイマーに該当する可能性が高くなります。
二つ目の改正ポイントは、パートタイマーを雇用したときには、①賃金制度はどのようになっているか(賃金の決定方法)、②どのような教育訓練があるか、③どの福利厚生施設が利用できるか、④正社員転換制度があるか、などを個別に、あるいはまとめて説明会等で説明する必要があります(第14条1項)。
また雇入れ後、パートタイマーから、①賃金はどの要素をどう勘案して決定しているのか、②どの教育訓練・福利厚生施設が使え、使えないものは何故使えないのか、など説明を求められた場合は説明しなければなりません(第14条2項)。合わせてこれらの説明を求めたことを理由に不利益な取扱いをすることも禁止です。
さらに、雇入れ時の書面(労働条件通知書等)には、『相談窓口』(「相談担当部署」、「相談担当役職」、「相談担当者氏名」)を記載することが義務づけられました。
三つ目の改正ポイントは、これらの法律に違反した事業主に対して、厚生労働大臣が勧告し、さらに従わなかった事業主については公表することができます。また、パートタイム労働法に基づく報告をしなかったり、虚偽の報告をした場合は、20万円以下の過料に処せられます。
以上、簡単にまとめてみました。
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