応募者に精神疾患の既往歴を質問しても問題はないか?

みなさん、こんにちは。

先日、こんな質問をいただきました。

 

1年ほど前に採用した従業員が、実は精神疾患を患っていました。

採用に際しては、本人から申告はなく、面接試験においても変わった様子はみられなかったうえ、採用基準にも合致していたため働いてもらうことにしました。

ところが半年ほど前から、お客様に対して暴言を吐くなど、おかしな言動が見られるようになりました。

その都度、口頭で注意を繰り返していましたが、ついにお客様からクレームが入るようになり、また他の従業員からも指摘されるようになりました。

最終的には、本人と面接し、就業規則に基づき退職してもらいました。

今後従業員を採用する際に、応募者に精神疾患の既往歴について質問しても問題はありませんか?

 

という内容のご相談でした。

 

通常、精神疾患の既往歴などの精神面の健康に関する情報は、労務提供能力の判断要素として収集の必要性は認められています。

結論としては、本人に対して、必要性を説明したうえで、精神面の健康状態について質問し、回答を求めても問題はないと考えます。

さらに、本人に必要性を説明し、同意を得たうえで精神面の健康診断を受診してもらうことも可能と考えます。

ただし、精神面の健康状態は、一般的にプライバシーの中でも特に他人に知られたくない事項ですので、回答等を拒む者に対して、執拗に回答を求めたり、回答しなければ採用しないと述べたりすることは差し控えるべきと考えます。

会社は、採用の自由がありますので、精神の健康状態の不安を考慮して、不採用を決定しても問題はありません。

不採用になった者から、不採用の理由を求められた場合も理由を説明する必要はありません。

「総合的に判断した結果である」と回答すればいいと思います。

 

いかがでしょうか。参考になれば幸いです。