「人を大切にする経営学会」とのご縁!

みなさん、こんにちは。

今回は「ひとを大切にする経営学会」から依頼を受け寄稿した手記を掲載します。

 

私は、2009年秋に社会保険労務士として仕事をはじめました。

前の職場では毎年離職者が多かったことに疑問を抱いていたこともあり、

社労士の仕事をはじめるにあたって離職者の少ない会社とはどのような会社かを

模索しながら、離職者に悩んでいる会社に対して職場環境の改善提案を

仕事の切り口にしようと考えました。

 

そこで浅学のうえ未経験にもかかわらずセミナーを主催し、

従業員にとって安心して働ける職場とは、就業規則等の社内ルールを

整備することと考え提案しました。

関心を持っていただいた会社からは、

見直しのご相談をいただきましたが、具体的に要望されたことは

法改正に基づいた就業規則等の修正が主で、私が考えていた従業員に対する

職場環境の見直しを前提としたものにはほとんどつながりませんでした。

 

さらに、会社の理念・方針などを共有することによって働きやすい職場づくりに

つながるのではとクレドの提唱を試みたり、

人事評価制度の構築による職場環境の改善を提案しました。

しかし、クレドは作成することが目的となり、

評価制度は評価のための評価制度になってしまい、

いずれも従業員の働く動機付けや成長につながるものとはならず、

私のイメージする従業員の職場定着に結び付く形とはなりませんでした。

 

私はその間にも関心のあるセミナー等に参加するなどして

理想とする会社像を模索していました。

そんな2017年初秋に、東京で活動されている社労士法人ヒューマンスキル

コンサルティングの林正人先生から、

「北海道でも『人を大切にする経営学会』が開催されるのでよかったら

行ってみたら」と紹介していただきました。

 

以前から坂本光司先生の著書は何冊か拝読していましたのでいい機会と

思い参加しました。

当日、坂本先生は「会社にかかわる”大切な人”とは、従業員とその家族、

取引先とその家族、顧客、地域社会、株主であり、この順番が重要である」

というお話をされました。

それまで私は、従業員を大切にするといっても商売をするうえで

会社にとって一番大切なのは顧客と考えていましたので

大変衝撃を受けました。

 

坂本先生のあとに、さくら住宅の二宮生憲社長(現相談役)、天彦産業の

樋口友夫社長(現会長)のご講演がつづきました。

二宮社長は、「12月はどこも物入りであることを考慮して取引先に対して

通常より早めに締めて年内に支払いをしている」とお話があり、

樋口社長は、「育休から復職した従業員の仕事を確保するために

新事業を立ち上げ、現時点で新たな収益の柱になっている」というお話でした。

二宮社長の取引先に対する考え方、樋口社長の従業員を復帰させるに当たり

新事業を構築する実行力など、まさに学会の理念を実践されていることに

感銘したことを記憶しています。

 

その翌年に、人を大切にする経営学会全国大会に行ってみました。

熱気あふれる会場で受賞された会社のみなさんのうれしくも誇らしそうな

表情を見ながらそれぞれの会社の発表を聞き、全国に目を向ければ

すばらしい会社がいっぱいあることを改めて認識しました。

まさに、私が理想と考えていた会社像が存在していました。

 

今回改めて仕事をはじめた頃を思い起こし、いま人材不足に悩んでいるという

会社に、”人を大切にする” という学会の理念を少しでも広められるよう

活動していきたいと考えています。