前回、労働問題の相談件数で解雇の相談が減少し、いじめ・嫌がらせが増加していることを掲載しました。
今回、具体的な裁判例がありましたのでご紹介します。
パワハラ認定で慰謝料/岡山のトマト銀行
トマト銀行(岡山市)の50代の元行員がパワハラにより退職を余儀なくされたとして、同行と上司に計約4,900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、岡山地裁は4月19日、精神的苦痛を認め慰謝料など110万円の支払いを命じた。井上直樹裁判官は判決理由で「上司の叱責は、脊髄の病気などの療養から復帰直後の原告にとって精神的に厳しく、パワハラに該当する。」と認定。しかし退職との因果関係は認めず、働き続けていれば得られる利益の請求分は認めなかった。判決によると、2007年3月ごろ、当時の上司が、ミスをした原告を「辞めてしまえ。」などと強い言動で責めるなどした。原告は09年に辞表を提出し、退職した。トマト銀行は「判決を見ていないのでコメントできない。」としている。(2012/4/19 共同通信)