- 就業規則の手直しが必要なのか、相談することはできますか?
- はい。もちろん可能です。「手直しが必要かどうか」だけではなく、今後どのような労務トラブルに気を付けた方が良いかといったお話もできるので、ぜひ一度ご相談ください。
- 就業規則は、どのくらいの間隔で見直したほうが良いのですか?
- できれば毎年、少なくとも2年、3年に一度定期的に見直しを検討してください。労動関係の法律は、年々変化しています。
毎年入ってくる新入社員たちの常識も、社会の関心内容もどんどん変わって行くものです。ハラスメントへの問題意識や働き方の捉え方、男性の育休取得など、就業規則はトラブル対策、法律の遵守と共に、あなたが考える会社の方向性を示すものでもあります。特に会社を大きくする、初めてアルバイトを雇うなど社内の環境が大きく変化するときは、前もって見直しすることをオススメします。
- どんなときに就業規則を作ったほうがよいですか?
- 従業員が10名以上になった時は、作成して労働基準監督署長に届け出ることが義務(労働基準法第89条)になっています。また、これらを行わなかった場合は罰則(30万円以下の罰金)の規定(労働基準法120条)もあります。
しかし、「作成の義務があるから」とか「罰則があるから」という動機で作成するということは受け身の考えです。
トラブル予防の観点からすると、問題が小さいうちに最小限のことだけでも決めておいたほうがいいと思います。
「従業員から労働条件について質問が出るようになった。」「正社員とパートが同じ業務をしているが、労働条件があいまいなままだ。」等思い当たる方はいらっしゃいませんか。
- 就業規則の作成で気をつけた方がよいことは?
- 就業規則は、書かれた内容が自社でできる範囲の内容でなければトラブルの原因になります。
例えば、何かをまねて作成した就業規則のなかに、自社に該当しない手当が書かれていた場合、従業員から支払を要求されれば支払わなくてなりません。
また、「賞与は、年2回支給する」と書かれていれば、業績が赤字でも支給しなければ違反となります。これらは過去、実際に発生したトラブルなので十分注意が必要です。
- 自社で作成する場合と、依頼する場合の違いはありますか?
- 自社で作成する場合、当然費用は掛かりませんが、労働基準法他関連法令に基づいた内容になっているかあるいは反する規定が書かれていないかの判断は難しいと思います。
できれば多少費用は掛かりますが、社会保険労務士等の専門家に依頼したほうが安心できます。どうしても費用を抑えたいというのであれば、自分で作った就業規則を専門家にチェックを依頼してみてはいかがでしょうか。多少は費用を抑えられる可能性があります。
- 就業規則はどこまで効果がありますか?
- 先日伺った話ですが、就業規則と合わせて社内体制を見直したおかげで、それまでは早く帰りづらい雰囲気がありサービス残業をしていたが、その後は午後6時ごろにはほとんど帰宅できるようになったという会社が有りました。
今では無駄な経費を削減できた会社と早く帰宅できるようになった従業員の双方が満足しています。就業規則を作成したことですべてがすぐに解決するわけでは有りません。半年、1年、2年と継続してチェックしていく必要があります。
また、別の側面からみると、社内ルールがなにもない会社で働くことは、従業員の立場に立つと非常に不安なものです。自分の人生設計を考えたとき、何年後あるいは何歳のときにはいくらくらいの賃金がもらえると分かっていれば、若い従業員は結婚を考えたり、さらに子供をつくる計画を立てられるかもしれません。
目標がないまま、毎日仕事だけきちんとするように命じられてもモチベーションは上がりません。病気になった時でも、休職期間があることを分かっていれば安心して働けるし、会社に愛着を感じ、仕事も一生懸命する気になると思います。「いい人材を採用したい」また「従業員の定着率を高めたい」と考えるとき、就業規則は貴重なツールです。
- 就業規則を作った後にやるべきことはありますか?
- 労働基準法では、作成した就業規則について労働者の意見を聴くことを義務(労働基準法第90条)づけています。従業員に就業規則があることを周知していれば内容について同意を得る必要はありません。
しかし、本来の目的が作成することではなく、労務トラブルを予防する、あるいは最小限に抑えることで有れば、やはりできるだけ詳しく説明し、理解を得た方がいいと思います。就業規則は、従業員に権利のみを与えるものでは有りません。当然義務も発生します。
もうひとつ、せっかく作った就業規則が、縛りが多くなって以前より働きづらくなったということもありえます。さらに法改正は毎年のようにあります。そのため定期的に見直し、修正しながら運用していく必要があります。
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